「リンゴ病について」(第667号 令和7年7月1日)

R7.6.14 潮江地区 北村 容一郎

 りんご病(伝染性紅斑)がまだ流行しています。
 今回は、小さなお子さんに多い感染症のひとつ「伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)」、
通称「りんご病」についてご紹介します。

◆ 伝染性紅斑ってどんな病気?
 「りんご病」は、ヒトパルボウイルスB19というウイルスが原因の感染症です。主に幼児か
 ら小学生くらいまでのお子さんに多く見られます。

◆ 症状の流れ
 1. 初期症状:発熱・倦怠感・鼻水など、風邪のような症状が数日続きます。
 2. ほっぺが赤くなる:風邪症状の終わり頃に、両頬がりんごのように赤くなる発疹が出現
   します。
 3. その後、全身に:腕や脚に、レース模様のような赤い発疹が広がることもあります。多
   くはかゆみが軽度で、1週間程度で自然に消えていきます。

◆ 感染経路と感染力
 • **飛沫感染(咳・くしゃみ)や、
 • **接触感染(手・おもちゃ・ドアノブなど)でうつります。
 注意が必要なのは、
 「赤いほっぺが出る前」=風邪症状の時期に感染力が最も強いという点です。
 発疹が出たころには、ほとんど感染力はなくなっています。

◆ 登園・登校はいつから?
 基本的に、発疹が出た後は登園・登校してもOKです。
 (※ただし、お子さんの体調や、園・学校のルールに応じて判断してください)

◆ 検査はできるの?
 一般的には症状だけで診断可能ですが、必要に応じて以下のような検査があります。
 • 血液検査(抗体検査):IgM(最近の感染)、IgG(過去の感染)が確認できます。
 当院では、症状が典型的であれば診察のみで診断しますが、妊婦さんがご家族にいる場合
 や、基礎疾患がある場合など、状況に応じて検査をおすすめすることがあります。

◆ 妊婦さんがご家族にいる場合は特に注意!
 妊婦さんが初感染した場合、まれに以下のような影響があるとされています:
 • 胎児貧血
 • 胎児水腫(重症化)
 • 流産や死産のリスク(特に妊娠初期〜中期)
  ただし、感染しても多くの場合は無事に出産されます。

 妊婦さんが取るべき対応:
 1. 感染の可能性がある場合は、早めに産婦人科へ相談
 2. 必要に応じて、血液検査(抗体の有無)を実施
 3. 感染を避けるには、手洗い・うがい・密な接触の回避が重要

◆ まとめ
 • 伝染性紅斑は、症状が出る前に感染力が強いのが特徴
 • 発疹が出た後は、基本的に登園・登校は可能
 • 妊婦さんがいる場合は、早めの相談・検査が大切
 • ご不安なことがあれば、いつでもご相談ください!