「第32回 目の愛護デー記念健康講座」(第647号令和5年11月1日)

「第32回 目の愛護デー記念健康講座」9・30

尼崎市眼科医会 萩原 善行

 
去る9月30日土曜、コロナ禍により中断されていた「第32回・目の愛護デー記念健康講座」が開催されました。尼崎市・伊丹市合同開催は4年ぶりです。会場の塚口駅前ライクスホールは予備のパイプ椅子を多数出さなければならない程の盛況ぶりでした。
最初に伊丹市眼科医会会長の小澤孝好先生から開会の御挨拶がありました。この健康講座は、思っていたより遥かに長い歴史と伝統があるのに驚きました。次いで、松本眞尼崎市長からのメッセージが読み上げられました。司会進行は尼崎市眼科医会の鈴木温先生でした。
演者は兵庫県立尼崎総合医療センター眼科部長の長谷川麻里子先生、演題は「目が見えにくいのはなぜ?原因と治療法について」でした。尼崎市眼科医会から長谷川先生に演者をお願いしたのは、かなり以前だと記憶しています。その後、感染状況によって何度も中止を余儀なくされ、長谷川先生には申し訳なく思います。
先ずは先生が勤務されている兵庫県立尼崎総合医療センター(以下AGMC)の紹介、目の解剖、そして代表的な目の病気の症状と治療の説明をされました。
白内障では特にAGMCでの日帰り手術の紹介、相当に進行した糖尿病網膜症は過去に比べ減ったが、やはり血糖コントロールが大事なこと、加齢黄斑変性症の特殊な治療法では入院下での光線力学療法と留意点、緑内障では閉塞隅角と抗コリン性作動薬との関係と、一般的な事のみならず細かい留意事項まで盛り沢山のお話でした。
ご講演の後、来場された方からの質問がありました。「飛蚊症は治るのか」「抗VEGF抗体と視力予後」「入院と日帰り手術を分ける基準」「特殊な白内障の手術時期」「眼瞼下垂の手術基準」など、非常に高度な質問が相次ぎましたが、長谷川先生は適切かつ丁寧にテキパキと答えて下さっていました。
最後に尼崎市眼科医会会長満田久年先生から閉会の御挨拶があり、大盛況のうちに講座は終了しました。長谷川先生、そして開催に御尽力された方々、本当にありがとうございました。