新年のご挨拶(第589号平成31年1月1日)

新年のご挨拶
尼崎市医師会会長 東  文造
新年あけまして、おめでとうございます。会員の皆様におかれましては、良き新春をお迎えのことと、お慶び申し上げます。昨年中は医師会の会務にご協力、ご支援を頂き、厚く御礼申し上げます。

昨年の4月の代議員会で尼崎市医師会会長に選出され、6月の代議員会で正式に選任されましたが、その間ならびにその後に、大阪北部地震、西日本豪雨災害、災害レベルの猛暑、台風、台風による停電、そして北海道胆振東部地震など、各地に多くの災害がありました。その中でも、台風21号の後のまだら停電による影響が一番大きく、今回の停電で現代社会は電気の上に成り立っているのが本当によくわかりました。この経験を踏まえ、自らが災害に強い医師会になるために、近々起こると言われている南海トラフ地震も想定に入れ、災害時の医師会の事業継続計画(BCP)の検討を始めました。緊急時の初動は安否情報確認から始まるかと思いますが、安否情報メールの登録数は現在53%しかありません。まずは可能な限り100%に近づけることから始め、地道にかつ着実に検討作業を続けて行きたいと思っております。

これからの日本における少子高齢化、多死社会、人口減少を見越し、昨年の4月から行政による地域包括ケアシステムが正式に稼働しました。それに呼応して、市の委託事業で尼崎市医療・介護連携支援センター(略称:あまつなぎ)が、昨年の1月に開所致しました。市民の方が重度な要介護状態となっても、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、また〝看取り難民〟が出ないよう、医療と介護の橋渡しとして積極的に活動していますし、尼崎市医師会としてもしっかり支えて行きたいと思っています。また語呂合わせで〝いい看取りの日〟である11月30日に、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)の愛称が〝人生会議〟に決まりました。尼崎市医師会も、自分らしく医療と介護を受け入れるための意思決定のプロセス(人生会議)をテーマとして、3月9日にあまつなぎ市民フォーラムを開催します。秋には尼崎市民医療フォーラムでも〝人生会議〟をテーマに開催する予定にしています。この様にフォーラムなどを通じて、市民の方々のご理解が得られるまで繰り返し粘り強く広報することにより、〝人生会議〟という愛称に実態が近づいていくものと信じ、医師会として精力的に取り組んでいく積もりです。

そして、平成の時代も後4ヶ月で終わり、新元号の時代に変わります。昨年は人工知能〝AI〟元年とも言われ、今後どんどん一般の生活にも医療の中にも入ってくるものと思われます。AIによるビッグデータ活用と効率化で、診断、治療、そして医師の働き方改革もなされるような新しい御世にならんことを祈り、また皆様にとっても健やかで素晴らしい年となりますようお祈り申し上げまして、新年の挨拶とさせて頂きます。