新年のご挨拶(第577号 平成30年1月1日)

新年のご挨拶
尼崎市医師会会長 黒田 佳治

新年明けまして、おめでとうございます。会員の皆様にはご家族ご一緒に輝かしい新年をお迎えのことと、心からお慶び申し上げます。旧年中は医師会の会務推進にご協力、ご支援を賜り、厚く御礼を申し上げます。
一昨年の100周年という大きな節目を過ぎ、新年を迎えて、心も新たに本会の活動の目標を再確認するため、これまで医師会の地域医療への貢献や健康福祉への取り組みが正しく国民に伝わっていなかったこと、医師会として社会に約束すべき内容を明確にすべきであることから作成されました「日本医師会綱領」を皆様と共に確認し、幸福の原点である健康を守るための公益的活動を一層深化させて参りたいと思います。そして、国民や医師に医師会の理念として広く発信していくことで、医師会が決して利益追求団体ではなく、『国民と共に歩む専門家集団としての医師会』であると認識して頂きたいと思います。またそれを受けて平成30年度の事業計画をいっそう充実したものにできるものと確信しています。これまでの歴史を見てもわかるように、時代の流れ、社会環境の変化に応じて医師会も変わっていかないといけません。昨年はアメリカトランプ大統領の誕生、北朝鮮の核実験、ミサイル発射、Jアラート発令、衆議院総選挙、スポーツ界では桐生選手が100mを日本人初めて10秒の壁を破りました。大相撲では暴行事件で日馬富士の引退と様々なことが起きた1年でした。世界情勢も不安定になってきているように感じます。これからの日本は人口の減少、少子高齢化、多死社会、認知症問題、社会保障費の増加抑制など2025年に向け地域医療構想、地域包括ケアシステムを構築し、平成30年度からは医療、介護、福祉連携は市町村単位で行われます。この連携の為、尼崎市と尼崎市医師会が1月11日から「尼崎市医療介護連携支援センターあまつなぎ」を開設します。これからは尼崎市にお住いの高齢者とご家族を支える地域包括ケアシステムを医療介護福祉の多職種連携で構築していかなくてはいけません。高度急性期病院、急性期病院、回復期病院、慢性期病院、リハビリテーション病院、地域包括ケア病床、老人保健施設、要介護高齢者の長期療養・生活施設、在宅医療等の役割分担と連携をするため、これからの尼崎市医師会の役割がますます重要になると思います。人々は健康で安心、安全な暮らしを求めています。私たち医師会員の使命として、市民の望みをかなえるため、常に考え、常に行動していかなくてはならないと思います。
h-Anshinむこねっとも順調に発展しています。「二次救急システム」は消防局、救急病院にはなくてはならないシステムになり搬送の問い合わせ件数の低下という目に見える形で証明されています。その実績が認められ、昨年は救急功労で県知事表彰もいただきました。また、神戸の救急システムとの連結が同意され、より広範囲で救急搬送が可能となります。「患者情報共有システム」が全体としてまだ活用されていません。病診、病病連携のため、是非患者さんのためにご使用くださいますようにお願い申し上げます。また新たに、医療機関と訪問看護ステーションや居宅介護施設、老人ホーム等、ITで医療介護の連結するシステムの導入も検討していきたいと考えています。
会長就任以来、機会があるたびに申し上げてまいりましたように、尼崎市医師会の「和をもって貴しとする」、「学閥を作らず」という伝統を共有し会務の課題解決に取り組み、責務を果たしてまいる所存です。本年も会員の皆様のご協力をよろしくお願い申し上げます。平成30年が皆様にとってすばらしい年になります事を心から祈念し、新年の挨拶とさせていただきます。