尼崎市長への「要望書」提出 (第561号 平成28年9月1日)

尼崎市長への「要望書」提出
7・28
副会長 児玉  岳
今年も、黒田佳治会長以下3副会長にて、尼崎市役所に赴き「要望書」の提出を行いました。推薦市議会議員である寺本初己氏・丸山孝宏氏のご臨席の下、市長室に於いて「要望書」を市長に手交し、内容を説明しました。今年は、たまたま市立尼崎高校の兵庫県大会決勝の日にあたったということで、ちょっと気もそぞろな面がありました(稲村市長は当該の公務もあり、村山副市長が応援に出かけたそうです)。
市行政側は、稲村和美市長の他、清水昌好医務監、郷司純子保健所長、吹野順次健康福祉局長、福井進保健部長、松長寿枝保健企画課長も列席されていました。
「要望書」については、前文・総論を黒田会長が説明し、今回、各項目については担当副会長から説明すると言う方法をとりました。しかし、言いたいことは各々山ほどあるので、かえって冗長になってしまったことは否めません。要望は山積していますが、最重要項目を中心に述べる方がよいのかもしれません。実際、要望項目は、地域包括ケアシステム構築、救急対策、産婦人科・がん対策、予防接種・輸入感染症対策について、適塩化推進事業、乳幼児保健・学校保健、スポーツ活動推進、産業保健、タバコ・禁煙対策、認知症対策、地域医療構想への対応…、と多岐に渡っています。いずれも大事なことではありますが、要望を述べる際には、限られた時間ということもあり、多少の濃淡を付けることも必要でしょう。
市長への説明を終えた後、議長室に赴き、寺本初己議長(先程も同席くださいましたが)、寺坂美一副議長にも、要望書内容について簡略に説明をいたしました。

この日、市立尼崎高校は決勝戦に勝利し、甲子園出場を決めました。尼崎市制100周年に実に見事であると思います。そしてまさか、選手宣誓まで勝ち得るとは、出来過ぎでしょうか。

平成28年度 一般社団法人 尼崎市医師会要望書
前   文
一昨年度、以前から重ねて市長要望しておりました県立塚口病院移転後の市有地に休日夜間急病診療所を含む新医師会館建設を市議会常任委員会で、整備用地として協議していくことの決定をいただきました。尼崎市医師会会員一同、念願であった自前の新医師会館が建設できると考えておりました。ところが跡地市有地に医師会が建物を建設し健康医療財団に1階の休日夜間急病診療所部分を賃貸する計画が不可能である事。用途地域が第一種中高層住居専用地域で事務所単独では建設出来ない事。土壌汚染で形質変更時要届出区域に指定された事。市からの土地の新規貸付契約は定期借地権契約である事。が次々判明し、当会第5回定時代議員会におきまして、後から判明した条件を含めこのまま県立塚口病院跡地に休日夜間急病診療所を含む新医師会館の建設を進めるか。断念し新たな適地を探し建設するか。を議題に上げ協議いたしました。結果、今回計画していました県立塚口病院跡地での建設を断念することに決定いたしました。市長、副市長、推薦市議会議員をはじめ健康福祉局の皆様の大変なご協力の下、一旦は県立塚口病院跡地での建設の許可を得、今回このような形で断念せざるを得なくてはならなくなりました。今までのご協力に心から感謝いたします。今後も、引き続きご支援、ご協力賜りたくお願い申し上げます。
さて、本年尼崎市制100周年、尼崎市医師会設立100周年を迎え、5月8日に市と共に「未来いまカラダシンポジウム」、「第1回尼崎市適塩化フォーラム」を開催させていただき2,000名を超える参加者で市民の健康意識の向上にすばらしい成果を上げたものと思います。また協力していただいた医療関係団体、介護関係団体、行政ともこのイベントを通して顔の見える関係を作ることができましたのも今後の尼崎市での地域包括ケアシステムを完成させるのに非常に役に立ったと考えます。今回のイベントは日本高血圧学会などの学会報告、経済産業省、厚生労働省の来賓の方の高い評価を受け、全国的な注目を集めています。今回1回だけのイベントで終わらせず、100周年を機に継続的にこのような市民の健康開発の啓発が行える事業を推進していただきたく要望いたします。この他にも市民の健康を守るために尼崎市医師会では、受動喫煙防止、禁煙対策、糖尿病市民フォーラム、認知症サポートネットワーク、市民医療フォーラムなどを開催しています。5月28日に開催いたしました第6回尼崎禁煙市民フォーラムにおきまして、市長に「尼崎たばこ対策宣言」をしていただきました。この「尼崎たばこ対策」を具体的に実効性のある目に見える形で推進していただけますように強く要望させていただきます。尼崎市におかれましても市民の健康を守り健康寿命延伸のためのこれら医師会活動に引き続き積極的にご協力いただけますように要望いたします。
平成27年7月から兵庫県立尼崎総合医療センターが開院し診療を開始されました。24時間断らないER型救急診療を実践され、救急搬送困難例も2%を下回る実績で、尼崎市民にとっては安心な結果が示されています。しかし、これにより今まで二次救急を担っていただいていた民間病院の救急搬送が減少し、このままでは二次救急体制から撤退せざるを得ない病院が出てくることが予想され、尼崎市の二次救急医療体制が崩れる可能性が出てきています。尼崎市の救急医療体制を今後検討していただきますように要望いたします。
少子高齢化が進む尼崎市において、子育て支援、地域医療構想、地域包括ケアシステム、認知症対策などが喫緊の課題です。尼崎市と尼崎市医師会、医療、介護関係団体が協働し早急にシステムを立ち上げていく必要があります。昨年度からの取り組みにつきましては、一歩進んだ感はありますがまだまだ他市と比較すると遅れています。いつまでも住み慣れたわが町で健康で安心して暮らせる社会を作る必要な施策を早く進めるため、関係部署の強化をお願いいたします。
尼崎市、医師会100周年という新たな出発の時にあたり、地域の保健、医療、福祉の向上、市民の生命、健康と幸福に寄与していくために協働し、次の100年に向かって行きたいと思います。尼崎市医師会会員から市長に多岐にわたる多くの要望を提出させていただいています。市民の健康、安心、安全を思うそれぞれの要望に対し、ご理解と真摯なる対応をお願い申し上げます。