平成29年度救急医療・救急業務功労者知事表彰を阪神医療福祉情報ネットワーク協議会・二次救急システムが受賞(第574号 平成29年10月1日)

平成29年度
救急医療・救急業務功労者知事表彰を阪神医療福祉情報ネットワーク協議会・二次救急システムが受賞
9・8
阪神医療福祉情報ネットワーク協議会 会長 黒田 佳治

兵庫県では、救急医療、救急業務又はその他、救急に関する業務に特に貢献された方に救急医療・救急業務功労者表彰を贈呈し、その功績をたたえると共に救急医療、救急業務等の一層の向上発展を図ることとしています。
平成29年9月8日に元町駅の北にある兵庫県公館にて平成29年度救急医療・救急業務功労者知事表彰の表彰式が執り行われました。今年度の受賞者は救急医療に従事し功績のあった医療機関・医師として阪神医療福祉情報ネットワーク協議会はじめ6医療機関、また救急業務に従事し功績のあった方として各市消防局から8名が受賞されました。授賞式には井戸知事、山本健康福祉部長、味木健康福祉部参事兼医務課長、来賓として空地兵庫県医師会長、菅原兵庫県消防長会会長、守殿兵庫県病院協会会長、石川民間病院協会会長が参加されました。今回表彰されました阪神医療福祉情報ネットワーク協議会は平成22年に兵庫県地域医療再生計画事業として休日夜間急病診療所等のIT化によるネットワーク構築(医療IT化)として3億円の基金をいただき、初期救急医療機関と2次輪番病院等の連携支援、地域医療支援病院の連携推進支援、阪神地域救急医療連携協議会等の設置、初期~3次救急と消防等の分野での阪神南北圏域合同会議などを平成22年度から25年度までの4年間で構築することが決まり、尼崎市医師会に兵庫県健康福祉部健康局医務課から「医療のIT化」の事務局を担うように要請され、お受けしました。平成23年6月に阪神7市医師会・阪神民間病院協会・県立尼崎病院、兵庫医科大学、看護協会の代表者をメンバーに「医療IT化ワーキング会議」の立ち上げを行いました。更に基金の終了以降のことも考え「阪神医療福祉情報ネットワーク(h-Anshinむこねっと)協議会」の立ち上げの準備も同時に行ってきました。平成22年当時阪神南北医療圏の救急搬送状況は重症傷病者紹介回数4回以上を占める割合が、猪名川町17.6%、川西市12.7%、宝塚市11.9%、伊丹市7.2%、芦屋市10.5%、西宮市8.6%、尼崎市11.9%、全体で11.5%と全国平均3.8%、兵庫県6.0%、神戸市3.3%と比較し非常に搬送困難例が多く危機的な状況でした。近隣で効果を上げている神戸市第二次救急病院協議会と同等のシステムを導入、搬送先病院の積極受け入れ表示、医療機関の入力手間を省いた入力しやすいシステム、兵庫県広域災害・救急医療情報システム(EMIS)に連動、救急隊が現場でタブレットを確認し応需情報や空床情報などをリアルタイムに更新、参照することが出来、消防隊自ら交渉状況を入力することにより、他隊の状況が把握できるシステムを完成しました。平成25年6月から尼崎市において二次救急システム検証運用開始、平成25年10月から阪神広域で仮運用を平成27年4月から一般社団法人阪神医療福祉情報ネットワーク協議会設立し、本運用を開始しました。運用にあたっては二次救急システム委員会として宝塚市、伊丹市、川西市、猪名川町、芦屋市、西宮市、尼崎市の医師会、消防、行政、システムベンダーが集まりシステムをより使いやすくするための改修、搬送困難例の検証などを行い運用しています。尼崎市医師会では尼崎市2次救急輪番体制調整会議が2か月に1回行われ、二次輪番病院の調整、救急搬送の実態把握、市外搬送例の検証、搬送困難例の検証、消防局から受け入れ医療機関への要望、受け入れ医療機関からの救急隊に対する要望などより良い救急体制の提供のための会議を行っています。平成28年度の重症傷病者紹介回数4回以上を占める割合は 猪名川町1.2%、川西市1.5%、宝塚市2.0%、伊丹市2.4%、芦屋市0.8%、西宮市2.0%、尼崎市1.1%と全体で1.6%とh-Anshinむこねっと2次救急システム導入前と比較し約1/10にまで搬送困難例が減少しました。井戸知事からいただいた表彰状には「貴協議会は永年にわたり地域の救急医療体制の充実に努め安全・安心な県民生活の確保に尽くされました。その功績を讃え県民を代表してここに表彰します。」と書いてあります。阪神6市1町の救急病院、消防局、医師会、行政、事務局、関係者の皆様方の県民の命と健康を守るという固い思いが今回の表彰受賞につながったと思います。私も当協議会会長として大変栄誉に思います。今回の受賞を糧に皆様と共に更に安全・安心な県民生活の確保を目指し努力したいと思います。関係者の皆様の努力に感謝申し上げご報告申し上げます。